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2003.12.04

渋滞の中で見たもの

これから書くことは個人的なblogには重たい話なのだが、少しばかりご容赦願えれば。

イヤなものを見た。あってはならない風景のはずだ。

幕張からの帰り道、いつものように渋滞する夕暮れの東関道から湾岸線を走っていたら、まことに整然と隊列を組んだパトカー等が静粛に追い越していった。前後を護衛車に守られながら、私のクルマのすぐ横を、2台の霊柩車が静かに追い越してゆく。

イラクで殺害された外交官2名が無言の帰国をしたのだ。

成田空港から都心へ運ばれる葬列に遭遇してしまったのだった。無論、この事件についてはニュースなどで知ってはいたし、大きな国際問題であることも認識していた。けれどしかし、平和な日本でさっきまで商売のタネに目を凝らして舞い上がっていた自分にとって、今「現実」に起こっていることの恐ろしさを突きつけられた感じがした。血の気が引くほど恐怖を感じた。この目で葬列を見てしまった私には、走査線の向こうで展開されるニュースとしてではなく、「戦死者」が粛々と運ばれていく姿を現実として焼き付けねばならない。この国はついに戦死者を出してしまった。

かの地イラクは未だ戦場なのだ。戦場に送り込まれた人間は軍人・文民を問わず、また民間人であろうとも容赦なく死と隣り合わせに置かれる。彼らは民間人ではなく官吏ではあったが、軍人ではなかった、がしかし戦地にて戦争の名の下に殺害された。彼らは「戦死」したのである。

戦争で死ぬのは、あってはならないことだと教わってきた。いや、間違いなく「あってはならない」。
だって、私だってあなただって、そんな死に方したくはないでしょ? 誰もがそう思うことは避けるべきことのはず。

これから先、わが国の「自衛隊」はイラクに派遣される可能性が高い。誰彼問わず死の恐怖に叩き込まれる戦場に、こともあろうに「軍人」を送り込もうとしている(自衛隊がいわゆる「軍隊」であるかどうかはここでは論議を避けたい)。死を覚悟して身をさらすべくある軍人を、今まさに戦争をやっている所に連れ込んで、無事であるわけが無いではないか! どうかしているよ、ホント。

・・・彼らを乗せた葬列は都心の渋滞に消えていった。
彼らがイラクへ向かう時も、この道は渋滞していたんだろうな。同じように渋滞するこの平和な首都へ、彼らは生きて帰っては来れなかった。死体となって同じ道を帰ってきたのだ。そして、私のすぐ隣を通り過ぎて行った。
あまりにも残酷だ。

彼らの冥福を祈ると共に、彼らをこんな境遇へと落とし込んだ「何か」を恨みたい。

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