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2004.05.27

不思議な石たち。

もう「腎結石」の話ではありません^^

半導体素子はその成り立ちから今でも「石」と呼ばれることが多い、特にディスクリート(トランジスタやダイオードなどの単独素子)は未だに通称「石」だ。CPUやメモリはさすがに「チップ」だけれど。

その由来は鉱石ラジオに遡る。整流機能を持つ亜酸化銅などの鉱石を使ってラジオを造った。この形式は増幅機能も無く、電源も要らない。聴くためのイヤホンさえ「ロッシェル塩」という塩化物の結晶で出来ていた。私も電子工作の入門で子供の頃に何度か造った。

しばらくして、ちゃんとした感度の良い短波ラジオを作ってみたくなって、トランジスタ増幅の6石スーパーヘテロダインを組んだ。ここで再びじいちゃん登場、「ワシは真空管時代の人間だから、固体素子はわからん」おっと固体素子=Solid Stateですか。メタル缶やエポキシモールディングされた3本足のこやつらの中には何が入っているのだろう???音を奏でる不思議な石への興味は日に日に大きくなっていった。機器そのものもさることながら、これら素子に「何が入っているのだろう」への興味が大きかった。

さてその頃、今のコンピュータの原型ともいえるワンボードマイコンがNEC辺りから出始めた(たとえばTK80キット)。そして周辺機器も揃い、遂にPCとしての原始的な姿が現れる。PC8001、6001など。この辺でも何か増設するには基板にゲジゲジのようなチップを挿すことが多く、さらに「中は何じゃろ?」、ついに「考える石・覚える石」というものの存在を知る。当時日比谷にあったNECのC&Cプラザ(今でもあるのかしら?)まで自転車で行きゲームをBASICで組みながら、ついでに秋葉原まで足を伸ばす。ここは私にとっては宝の山だった。「光る石(LED)」、前出の「考える石(CPU)」なんかがザクザク売っている。見れば見るほど不思議な石たち、「何がどうやってこんな石たちが動くのだろう??」
#たとえば宮沢賢治が鉱石に惹かれたように、私はこれらの「石」に魅入られたのだった。

時代は下り、大学で物性論と半導体工学を学ぶことになる。
あの「石」たちの正体を垣間見る日が来た!

それからはその系統の研究と仕事をし、今はそれこそ"Solid State Survivor"として働く毎日だ。でもね、仕事は大変なんだけど、あの「不思議な石たち」の魔法をこの目で垣間見るのは今でもワクワクするんだ。それに体と心さえ付いていってくれれば・・・ねぇ。

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