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2004.08.12

1900年

最近、再び何度も聞いている曲に
Ennio Morriconeの「1900年(NoveCento)のテーマ」というのがある。
#よく似たので最近の映画「海の上のピアニスト」のテーマではないのでお間違いなきよう。

Bernardo Bertolucci監督の古い映画「NoveCento」の主テーマだ。
この映画、実は俳優Robert De Niroの若き日の出世作でもある。
1900年生まれの2人の貴族と農民を通じて、20世紀イタリアの動乱の歴史を描いた超大作。全部通してみると5時間になるとんでもない長い映画。実際、私も全部は見てません^^;;

この曲を知ったのは、実は坂本龍一「教授」がライブでピアノソロを演奏したのを聴いて、原曲を探して見つかった(残念ながらCDは廃盤、映画も日本語版は版権が切れていてDVDは入手できない)。もちろん、監督と教授は「ラストエンペラー」で組んでアカデミー賞を取ってしまったので有名なんだが、その監督の古い映画のテーマをEnnio Morriconeが書き、教授は映画音楽へのリスペクトのつもりで演奏したのだろう。

ひと言、とてもいい曲です。(教授Verもいいよ!)
夕日の当たる河川敷でコレを聞いて、涙が出るほど美しかったのを覚えています。
聞ける機会があれば、ぜひ聞いてみてください。

さて、1900年といえば、私にとって個人的にとても印象深い年でもある。もちろん私は生きていたわけではないのだが^^;;。祖母の兄が1900年生まれで、まさに映画の主人公たちと同じ年月を経て数年前に亡くなった。「19世紀生まれの人間」がすぐそばで、ついこの前まで生きていたのだ。

震災・労働運動・戦争の歴史・思想闘争・そして平和と政治の歴史・・・20世紀のありようを常々聞かされて育ってきた。「ナントカ主義」なんてものが現れて、そして崩壊し消えていく過程をすべて見届けて、天国へ旅立っていった。

対極にある別の「ナントカ主義」は未だ残って、ひとりぼっちでそれを振り回す大統領のいい言い訳に堕落している。そう、もうとっくに21世紀なのだよ、でも祖母の兄が語ってくれた100年前と少しも「進化」はしていない。テクノロジーは大きな発展を遂げた、が、しかし、人間の愚かさはずっと変わってはいない。

「NoveCento」を聞きながら、20世紀の業の深さと100年の重みを噛み締めてみる。
これから僕らはこの世紀をどうやって過ごすのだろうか?

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