シンセの生音
タイトル自体が矛盾しているのは承知で(^^;;。
電気楽器・電子楽器を触ったことがある人は
知っていることかも。
シンセ(シンセサイザー)という楽器自体、
何らかの音を合成・模倣する(Synthesize)ものだから。
ところが、楽器である以上、何らかの「個性」を持つことになる。
フィルターの効き、レゾナンスの発振によるギラツキ、
ノイズジェネレータのさざめくザワツキ、D/Aの持ち味、
発音機構の得意不得意(FMもPCMも加算器も)等等・・・。
サンプリングマシーンの完成度が今ほど高くなかった頃、
限りなく生音に近いが、独特の空気感があったもんだ。
イミューっぽいとか、フェアライトの感じとか、AKAI臭いとか、
RINNの音圧とか、シンクラビアすげぇ(笑)とか。
そして、当時の音源を聴きなおしてみると、
いろいろなことに気づく。
録音機材の進歩や楽器の世代による個性ももちろん、
サンプリングされた時の「空気感」が保たれたまま、定位している。
むしろ、完成度が高まったその後、あえてLo-Fiを目指した前、
空気感とともに「時代感」もきちんと記録されている。
あれは、楽器としての「シンセの生音」を実感していたに違いない。
その証拠は、目の前の少々の楽器と、CDたちが教えてくれる。
« ドアを閉めない人間 | Main | ご無沙汰 »
The comments to this entry are closed.
Comments
ヤマハのVL音源は結構いい音出しまっせ。
私の判断基準はSAXの音です。普通のシンセはなんだコリャという音ですもん.....
Posted by: falcon | 2005.02.20 09:49 AM
どもー、falconさん。
物理シミュレート系の音源は、まあ生々しい音がするものですね。さすがは生楽器も作ってるmakerだけはあって、基礎データを豊富に持っているのでしょうか。
このmaker、音場制御もずいぶん昔から手がけていますが、実際に収録した反響音データからアルゴリズムを割り出すとかいう手法を好むみたいです。楽器屋>音響屋としてのプライドなのかな。
Posted by: lucifer | 2005.04.02 04:00 AM