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2006.06.21

酒power

飲むヤツじゃないんです。
バイオエタノールってご存じ?

参)酒POWERつうのはジムニーのチューンで有名なアピオさんの商標だったけ?

さて、ガソリン車はガソリンで動く。
しからばその燃料は全部が石油由来でなきゃいかんのか。
否。

ガソリン、バイオエタノール混合に転換 30年まで by asahi.com

ここのところ、原油価格の上昇もきっかけとして、各省庁の間で燃料油の品質に関する研究・提言が盛んだ。
その中で、レギュラーガソリンのオクタン価向上と一定量のアルコール類添加が案として上がってきている。

オクタン価上昇による燃費向上の資料:
http://www.meti.go.jp/committee/summary/0001595/index.html

少し前に高濃度アルコール系燃料の無防備な使用は問題になったことはあったが、アルコールの使用そのものは、それなりの対策ときちんとしたバックアップが伴えば有効であることが認知されてきている。

中でも、生物由来のいわゆるバイオエタノールの有効活用がかなり現実性と効力を持つことがわかってきている。醗酵で造るアルコール類、エタノールは「酒精」とも書きます・・・要するに、ホントに酒そのもので走っちゃおう、ということ。まあ昔から、ガソリン足りないのでウオッカで走る、とかありますが。

わかりやすい解説:
http://www.jafmate.co.jp/mate-a/cvnews/report/rep200407oil.html

環境省 再生可能燃料利用推進会議の資料
http://www.env.go.jp/earth/ondanka/renewable/index.html

もちろん、エタノールもただヤミクモに入れりゃ良いってわけではなくて、水分の混合の問題や腐食、排気へのアルデヒドの問題があることは知っておこう。今持ってるクルマにそのまま何でも入れてもいいわけではない。

ここで、記事をよく読んで資料などで確認した事項。
日本でも2003年、3%のエタノール添加(E3)であれば、現状車種でも問題が無いとして、成分に規格化されている。これであれば、現有のクルマでも問題ないはずだ。3%の炭酸ガス削減を他の手段でやろうとすれば、結構大変だ。

次に、国産車でも北米へ輸出されている車種であれば、10%添加(E10)まで対策済みのパーツが存在する。日本向けと輸出用をわざわざ分けて製造する必要も無いはずなので、これを装着した車種であれば、対応可能。

そして、南米と米国一部・スウェーデンではE85が使用されている。ドイツやイギリスも始めた。ブラジルのエタノール燃料E100(純エタノール)はずいぶんと昔から有名だ。これを使用するには対応モデル(Flex fuel car)でなきゃいけないのだが、メリットもある。燃料そのものが安価に設定されているという点は大きいがそれだけでなく、例えば、Saab9-5 BioPowerのターボエンジンでは、純ガソリンより20%高い出力を得ることができ、(オクタン価が高いからチューニングが・・だよねぇ)さらにこれのHybrid Conceptでは全体で3倍トルクだそうである(笑)

さあ、内燃機関でもまだまだ行くところはある。
しかももう"量産化"されている技術を集積すれば走れる。

1970年代にたったの数年で無鉛ガソリン化を達成できたこの国で、
技術的には、できないわけが無い。
新たな、極端な要素技術開発なんて、もういらないのよ。

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MotorSports好きな方ならご存知の有名な事柄として、INDYは1965年からずっとアルコール燃料で走ってきた。
http://www.indyjapan.com/indynavi/w_irl/rule06.html
世界最速レースの一翼は、長年アブラで走ってはいなかった。
高速内燃機関が石油由来でなければ威力を発揮しない理由など、とっくに無かったのだ。そして、サーキットは技術のゆりかご、ということでもある。

具体的には、昨年までメタノール100%でやってきていて、今年はメタノール90%にエタノール10%を添加したものに変更、来年から100%エタノールに移行する。
もちろん、メタノールは飲んではいけないアルコールとして有名だが、毒性などの点で管理が厄介ではあるのだ。
いわば「酒」そのものであるエタノールならば、こういう懸念は少ない。

メタノールでは化学合成品が主体だったのがエタノールは大多数が生物由来のバイオエタノールにすることができる。
(総生産量の70%が生物由来、エチレンからの化学合成が30%という)

ただ、レースの車両には残念ながら触媒などが付いていないため排気ガスの問題がクリアになっていない。
#実際に数年前もてぎに見に行った際、
 私もずいぶん目の痛い思いをしたもので。
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さて、じゃあこのバイオエタノールをどおやって造るかという点。現状は食べられるor食べられそうな農業資源から造られている。一番楽なのはデンプンや糖質を醗酵や分解させて造る、ホントに酒なのだ。
サトウキビ、イモ、トウモロコシ、コムギ、ビート・・・。
食べられる部分を抽出した後の残り(主にセルロースや繊維質かな)でなんとかしようとしているが、コスト的にあと一歩である。

たぶん、食べられるものを使っているうちはまだダメなのだ。
だって食べるほうが先だからね。
クルマに乗れても、飢えたらどーしょうもない。

食料や農地や森林と競合せずに製造する方法を模索するのが、
これからのものすごく重要な課題なのです。

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