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2007.10.09

Digital Audio:2

うちのカミサンは、えらい物持ちが良い。

女性は丁寧に使うってのも、あるんだろうけどね。

かなりかなり昔から愛用しているポータブルCDPがあって、
最近、端子が接触不良してるっぽいっていうから
修理するのに開けてみてみた。

ん・・・SonyのD-40。

初代D-50の流れをくむ、初期の「DISCMAN」、
CD-Walkmanではない頃の。

開けてみてびっくり、
治してみて、聴いてみて、さらにびっくり。

ポータブルCDPなんて、MD以降、メモリプレイヤが普通な今日、
今現在は多分まったく売れないだろうし
すごく安価なごく一部の機種が出回っているに過ぎなくて、
「せっかくの」CDを非圧縮=ストレートに聴くには足りないものばかり。
粗いペラのプラでできていて、音もさっぱりいかんともしがたい。

ところが、20年前のこのD-40は違った。
底面からして板金であったし、
ピックアップ周りも、据置機と同じような構造。

Sony機のセオリに従って、外していいネジの指示通りに
外して開けて、チェックして、故障を探してみる。

結局は、長年使い続けた結果でヘッドホン端子の
バネ板が曲がって単に接触不良していたのを治しただけで
ハンダ割れも無く、無事動いたのだが、
そのほかの部分や回路も、なんとも無かった。

むしろ、この当時できうる限り造りこみをやったのであろう痕跡が、
PCBやジャンパ線の辺りに散見できた。
これ、ものすごくちゃんと造ってあるわ・・・。

さて、元に戻して、単3を4本入れて、チェックのために
お気に入りのCDをいつものCD900STで試聴してみる。

・・・・・図らずも、こんなにこんなにいい音だったんだっけ!
圧縮音源に慣れすぎていた、というのもあるのかもしれない、
そこそこ非圧縮のものも聴くようにはしていて、
CDそのもののストレートの良さもまあ知っていた
はず・・・。

その20年前のポータブル機から出た音は、
初めてCDを聴いた10代の日の驚きを彷彿とさせる、いい音だった。
盤に入っていた音をゴマカシ無しで直に出してくれた。
入っている音は、ちゃーんとそこで鳴っている。

音質調整のスイッチなど何もついてない、
後年の「スーパーベース」のような機構はなにもない。
ただ、少し大きめのボリュームを回して、音量を調節するだけ。

重くて、大きくて、電池が多くて、振り回せば音飛びするのだけれども、
そんなものすっ飛んでしまうほど直球で、
「CDに記録されたもの」を直接、再生している感覚。

電池が大きい(電源ケチってない)とか、凝り過ぎてない回路とか、
古いからこそ単純明快なアナログ系を持ってるとか、
その時代相応の理由も持っているんだと思う。

ただ、ものすごく感じたことは
本来的に高音質である(当時は最高峰の)CDを再生するに、
できうる限りのことをこのサイズに入れ込んでみました・・、
その結果としてこの音が出ているんだと思うんです。
だから、音質調整回路も付いてないし、
実際にはそれが無くても十分にしっかり聴ける音だったし。

技術の粋、複雑で精巧な回路、どんどん進歩する処理技術、
それを否定する気もまったくないし、
ともかく、その一部を生業としているのだし。

ただ、基礎をきちんと突き詰めようとした結果や
その時代のできうる限りを誠実に投入していたりした、
これをポータブルの普及機として売っていた、
こういう部分は、生業が生業であるからこそ、
惚れ惚れとしてしまうのです。

もちろん、音楽好きですから、
いい音で聴けることこそ、無上の喜びだし!

ちゃんと造って丁寧に使えば
その良さ(と想い)を今日も伝えることができる、
そんな製品が身近に存在していて、
偶然にも治すことで再発見できた。

ちょっと嬉しいんですよ、僕は!

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Comments

我家は据え置きオーディオが10年以上前のモノです。

何年か前に修理に出したら
「もう部品が無いので、今度壊れたら、もう修理はできません」
と宣言されて帰ってきました。

最新のものと比べたら、どんな違いが有るんでしょうね。

>もちろん、音楽好きですから
そんな、る氏さんに耳寄りな情報が!
JAZZ、ボサノバ系はお好き?

知り合いが、7月にCDをリリースしました。
ttp://kaoruwatanabe.com/index.html

こちらで試聴できます
ttp://www.myspace.com/kaoruw

願わくば、私の手持ちCDを…
(って、思いっきり営業活動してる?)

Posted by: すーじー | 2007.10.09 10:33 PM

毎度ども!

>すーじーさん
4周年は失礼いたしましたm(..)m
(irikuraさんから聞いてるかもしれないけど(汗)

「もう部品が無いので、・・」云々は寂しい限りですねぇ。かつて経産省でオーディオ機器は8年とか補修用性能部品の保有を決めてたはずなんですが、やっぱり10年超えるとキツクはなります、素子そのものが無かったりしますんで。自分もバックアップ電池飛びとか容量抜けとか単品の手ハンダで直せる物は何とかしますが、最近のDigitalなものほど困難を極め・・。

最近のものの違いは高密度実装すぎて「開けても直せない」ことかも(苦笑)

さて、女性Vo.で紹介していただいたんで、
こちらも知り合いが今年リリースしたお勧めを。
ttp://www.geocities.jp/kachi_m_72/

こちらで試聴できます。
ttp://www.mumix.net/feature_player/mitsumusica.html
ぜひ聴いてみてくださいな。

Posted by: lucifer | 2007.10.10 02:03 AM

まだ修理していただきたい18年前のコンポがあるよ?

どんなときも一緒に過ごしてきたという愛着があるので、壊れたから「はい、次!」っていう気になれないのよねぇ…

Posted by: ま。 | 2007.10.10 04:00 AM

あ、いつもどーも。

>ま。 さん、
18年もの、Vintageと呼ぶにふさわしく(汗

オーディオを筆頭に、たとえば楽器やカメラなども含む機器達は、経験や感情を一緒に過していくために生まれる(造られる)モノですから簡単に捨てられませんよね。物質に縛られたくはないけど、自分を捨てられない、のと似てますかね。

クルマにも同じ性質があるかなぁ・・。

「モノより思い出」というキャッチコピーがありましたが、むしろ「モノにも思い出、モノにも想い」というのがこういった機器の在り方かもしれません。

そのVintageモノ、治してみせましょう。

Posted by: lucifer | 2007.10.11 12:47 AM

聴きましたよ~ mitsumusica

一日中繰り返し聴いていられそう。
多面性を持ったアーティストですね。

リッキー・リー・ジョーンズに例えられるところは、我が「薫嬢」と共通してますね。

11月18日(日)に国立のディスクユニオンで「薫嬢」のインストアライブがあるので、そのときにでも買おうかな?

Posted by: すーじー | 2007.10.11 11:58 PM

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