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2008.03.03

僕らの副都心

池袋にその施設が登場して
今年で30年になるという。

週末に家族で訪れてみた。
そう、かなり久しぶりになるが。

「来てね来てね来てね」、というCMがあったな。
Sunsui
こういうキャラが楽しそうな水族館の
隣のプラネタリウムに行ったのだがね。

副都心という名の超高層ビル街は
先に新宿西口にできていて、
京王プラザホテルなんて1971年に開業している。

その後、東池袋(というか元・巣鴨ウンタラの跡)に
1978年当時日本最大の高層ビルができて
ショッピングセンターを併設して
都市型複合商業施設の第1号であった。

敷居の高い、今風に言うと"プレミアム"な設備としてではなく、
一連の建物群をパブリックな"街"として位置づけていたらしい。
だからこそ、当時はコレ自体を「池袋副都心」と呼んでいた、という。
#つい最近まで、銀行の支店名に名残があった。

首都高速のランプが建屋に直結している構造も
逆に今からは考えられない大胆さである。

できたばかりの動く歩道の付いた地下道を
友人と自転車で走り、大目玉を食らったのを覚えている。
どうやって地下道まで自転車で降りたのか
全く覚えていないのだが・・・。

そのハンズの横から降りる地下がメインの出入り口という構造も
子供心に意外だった印象もあるね。
(そのくせ地下鉄類にはまったく接続してない点も)

かつては周辺のビルにも場所柄で
西武/セゾングループのテナントも多かったのだが
今も残るのは西友とリブロくらいかなぁ。
池袋>光が丘>大泉といった川越方面への
開発集中と資本の突き抜け感の根っこだった気がする。

70年代の終わり近くに現れて
80年代を予感させた、そして象徴した施設だったのだろうか。

--------
今回、久しぶりに訪れてみて、
今となっては大規模とはいえないながらも
変らずに多くの人を集めて繁盛していることを見て
普通の施設として定着したんだなぁ、と思ったのだ。

以前、パリのフォーラム・デ・アールが
まったくこういった雰囲気の都心型施設として
雰囲気がそっくりであることをこのblogでも書いていたが、

雑貨やお手ごろな商品を売る店が多数入っていて、
老若男女がウロウロ楽しそう。

多分に四半世紀以上経っていて使い勝手に足らない
老朽化した部分が見え始めているのも
同時期のフォーラム・デ・アールに似ているかもね、
訪問者の動線がだいぶ混乱している部分もある。

まあ、「街」という雰囲気では
路地があったりするのと似てきてますかね?

ちょっといい意味でイナタいのかもしれないけど、
鼻持ちならない嫌らしさが無くて、居心地がいい。
たぶん世界中の都市で通用する日常の価値とは
住んでる人が思い思いに楽しげであるこっちなのだろう。
#むしろこういうのこそ「都市的」である・・・とね。

買い食いの楽しさもあって、
子供の頃からあるようなクレープ屋さんや
ハンバーガーショップは相変わらずに存在していた。
2階の定食屋もまだ営業していた。

港区に何個もある訪問者を選ぶような変にプライドの高い施設や
旧植民地の価値観を引きずった高級施設を有難がるのではなく、
郊外に点在する自家用車利用前提の施設ともまた違った、
僕らが今まで生きて暮らして実践してきた生活様式の
ある形でのベーシックが、そこにまだ存在してた。

30年前に試みられた日常への仕掛けは
ほんとうに日常の中にしっかり溶けていた。

自転車で訪れてビル探検をしたかつてのコドモは
今度は家族を連れて、ここへ遊びに来ている。
あいかわらず雑然と楽しそうな通路の横で
今も変らずにクレープなどを食べている。

プラネタリウム鑑賞の後、
それこそコドモ時代から久しぶりに
60階の展望台に揚がって東京の夜景を見た。

超高層ビルが増えたなぁ。
Ikebukuro1
西新宿はもう、ひと塊の光のクラスターになっていて、
港区のほうは光の槍を突き立てたように林立していた。
東京タワーは今も放電するかのように赤く突き出しているが。

TVの番組「僕らの音楽」のオープニングのような風景、
動いている街の夜景が、視覚を通して何かを呼び覚ます。

池袋駅からの繁華街のガヤガヤとした明かりが
街の熱を夜空に向かって放出しているかのようだ。
Ikebukuro2
もうそろそろ「副都心線(旧称13号線)」という地下鉄がここを通り、
明治通りを抜けて新宿をかすめて渋谷へ走り出す。
また新たに行き交う人が現れて、ここにも立ち寄るのだろう。

西新宿はいつの間にか副都心と云う言葉をやめて
新都心という自称に変った。
たぶん、あの場所に都庁が来て以降のことだ。

自分が中央だという幻想を口にするのは
ただ施政者や驕れる者の儚い看板なのであって、
そこが副であろうと主であろうと訪れて楽しむのは
都市に住んでる一人一人が主役であるがゆえ。

だから、この場所はこれからも
僕らの楽しい副都心であり続けてほしい、と思うのだ。

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